ゴールデンウイーク 激スレのネイティブトラウトとARI
田中 秀人
今年のゴールデンウイーク。
飛騨の本流は水が太く、ポイント選びに苦戦。
支流群のトラウトの成魚放流はゴールデンウイークに合わせて
真っ盛りを迎える。
当然その区間は激戦区となる。
しかし、僕たちの狙いはワイルド。
無数の足跡。成魚放流の魚たちで騒ぎ立てられた流れで
どうやってネイティブをヒットさせるのか?
はっきり言って成魚放流物と天然物ではその習性と釣り方が違う。
成魚放流区間で天然物を狙うことはそれなりの作戦が必要だ。
ホースで大量のボロボロトラウトが流し込まれると、
騒がしくなってワイルド物は警戒して釣りにくくなる。
ましてや、ガンガンに人が通ってスレスレまくって超シビア。
連休の、それも最終日にこの激スレワイルドを狙う。
水温もまだベストでなく、ユキシロも後半で水量も多い。
渓流のトラウトプラッギングのアップで釣るには
ようやくシーズンインのスローな状態。
そこにきてゴールデンウイーク。
天然物坊主も当たり前の状況なのだが、
僕らにはアリが有る。
アップでUHをおもっきり沈めて、こつこつと底に触れるぐらい
ぶち込んでやる。底の流れよりほんの少し早くルアーを動かせる程度の
スローでラインスラックをとる。
この状態では表層の流れより遅くルアーが流れてくる。
困ったときのスーパースロードリフティング メソッドだ。
オリジナルのバンブーロッド NORIKURA RODと
チューニングされたULのベイトリールが相棒だ。
トラウトのサイズはともかく、
ワイルドな川の宝石 アマゴと腹がオレンジ色の谷のイワナ。
ようやくワイルド物シーズンインの残雪が残る渓流で、
激シブの中、出逢ったネイティブたち。
数も10匹ほどだけれど、成魚放流物を避けて、
選んで狙って釣ったワイルド。
会心の釣りとは言えないけれど、絞り出して手にした釣果。
これもまた、未体験ゾーンのボトムまで送り込める
アリ50UHのなせる業。
アリなくしてこの釣果なし。
恐るべし・・・アリ50 UH
支流を移動してまた別の支流へ。
時間の都合で大場所一か所だけチェック。
堰堤下のどん深でイワナを狙う。
テスト中のプロト アリ70mm 15g以上という
スーパーヘビーのトゥイッチングミノー。
実はこれ、もう3年も試行錯誤を繰り返している。
シェイプをいくつも試し、ウエイトパターンをいくつも試し、
リップのサイズ、形、角度、付け位置などを数限りなく試し、
数年熟成してここまで来た。
初期のサンプルはダメ出しして、根底からやり直した。
サンレアル 山口 斉には「納得がいくまで絶対製品化させないぞ」
強く釘を打って進めているプロジェクト。
迷宮に迷い込みながら抜け出して、OKまですぐそこという所まで、
ようやくここまでたどり着いた。
もう一機種 60mmのアリもかなりの線まで来ている。
これで釣りこんで微調整してゆく。
シーズン真っ盛りの大暴れを期待してほしい。
この2機種、来シーズンのスタートにお届けできるよう磨き上げられている。
堰堤下のどん深のボトムに着底まで送り込み、
深淵から斜めにフルトゥイッチで引いてくる。
中層まで来たところで追い食いドン。
支流の天然イワナ。
もっと大きいやつを狙っているが、支流の尺は嬉しい。
なんだ、騒ぐほど大物じゃないと思われるかもしれない。
絶望的な状況でのアリの出番。
起死回生のアリのポテンシャル。
新緑の天然林のトンネルで、春の終わり・・初夏への移り変わりに包まれ、
じんわりと浸み入るゴールデンウイーク最終日の釣りであった。
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