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投稿者 : hide 投稿日時: 2017-09-23 02:51:53 (2457 ヒット)

 

 

「台風一過の

暴れ川が治った日」

TOKYO ROD&GUN CLUB 田中 秀人

 

今シーズンは肘を痛め、めっきり釣行回数が少ない。

サンレアルHPへの釣行記もめっきり少なくなり、

申し訳ない。

そんな中、リハビリがてら秋の渓流に出かけた。

 

狙いは

尺アマゴ

昨日の火曜日

 僕の休日に

 チャンスが訪れた。

 

増水と濁流から

治り始めた流れが

生唾ゴックン状態。

さてどの流れを選ぶか…

 

午前中、

ダム下の増水時に

尺アマゴが狙えるエリアに

入るも、思いのほか

水が下がりすぎて

 チビ アマゴの猛攻にあう。

 写真を撮るまでも無く

10数匹のチビ。

1本目の谷が終了。

 

午後からは2本目の

 ゴルジュにアタック。

 

御嶽山から流れ出る

秘密のアマゴ谷。

ダムざし無しの

 パーマーク バンバンの

居着き本アマゴを狙う。

これが大当たり。

7寸、8寸、9寸。

そして尺アマゴ。

15cm前後も10匹出て、

 数もサイズも揃った。

 

秋の難しい釣り。

コンディションが

揃わないとなかなか

尺アマゴは出ない。

さらに、

この時期に

1 25匹のアマゴは

上出来である。

肘痛で久しぶりの釣り。

リハビリで出かけた、

アマゴの1日。

たくさん歩き、

 夢中でキャストを

繰り返したが、

 肘の痛みすら忘れていた。

アンバサダー 2501CDL

SJウルトラライトチューンと

 ノリクラロッド

 バンブー56UL。

サンレアル アリ50

大人の休日。

 大人のタックル。

 天高き雲と空。

なんて良い日なんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ルアーチョイス ワンポイント。

 

アリ50 SUH ナチュラルオレンジ

笹濁りの中の実績カラー。

さらに秋の婚姻色を纏うヤマメ、アマゴはこのオレンジに良く反応する。

成熟したトラウトの婚姻色にも似たこのカラーが、

テリトリー意識と産卵行動に移る秋に効果を発する。

是非秋の渓流にこのナチュラルオレンジのカラーをお試しいただきたい。

 


投稿者 : hide 投稿日時: 2017-05-15 07:19:31 (3866 ヒット)

研ぎ澄まされた秘密兵器

「アリ60UH&70UH ユーザーズマニュアル」

サンレアル トラウトフィッシング アドバイザー

田中 秀人

 

恐ろしい程の威力を発揮するアリ60&70UH。

誰も攻められなかったあのエリアに張り付いたビッグトラウトを狙う。

その使用方法に戸惑い、使いきれていないアングラーから

詳しく使い方を解説してくれとのご要望を多数いただき、

マニュアルを作成することとした。

 

このアリ60&70 UHのコンセプトは

流れの中の底波、喰い波を一撃することである。

フローティングは表層をなめるだけ。

ハーフディープでは流れに負けて入らないガンガン瀬の底波。

DEEPでは飛び出してしまう。

上の波がガンガンでも鱒が付くスポットはその中の少し緩む喰い波の底なのである。

バイブレーションの飛距離と沈下速度にミノーの動き。

あのスポットを狙い撃ちするのである。

使用に際し先ず注意することは、ボトムの転がしではないこと。

ボトムから少し切ってアクションさせる。

強い流れにくい込んで、その下の流速の落ちるスポットでアクションさせることである。

ガンガン瀬で物凄い抵抗がかかるが、その下のスポットに入るとフッと少し軽くなる。

そこに入るルアーが今まで存在しなかった。

だからこのアリのUHが独断場の威力を発揮するのである。

注意点としては抵抗が強いので、

通常のタックルよりも1段強いロッドを使用することをお勧めする。

ウルトラヘビーでリップの抵抗も強いので、ラインも一段太くしても

底波に入る。全体的に一段パワーのあるタックルバランスをとっていただきたい。

ベスト ベイトタックルである。

 

アップクロス、クロスが基本だが、

時には上流に投げてじっくり沈ませて、斜め上からそのスポットに送り込んでアクションさせる。

それほど深くなくて上のガンガン波をくぐるだけだったらアップクロスで十分入る。

要はポイントの深さと流れの強さでどの角度からアリのUHを送り込むかの

違いなのである。

以下の応用である。

 

浅い→クロス気味

深い→上流に投げて沈ませて斜め上から入れる

 

流れ普通の瀬→クロス気味

流れガンガン又は押しが強烈→上流に投げて沈ませて斜め上から入れる

 

泡の下→1段上に投げて泡下に一気に落とし込む。

 

喰い波のピンポイントに入れば一発だ。

そこにはどのミノーも入っていないから、いくら先行者がいても竿抜けになっている。

このスポットに付いているマスはミノーの動きにスレていないのだ。

 

フローティングにハーフディープにDEEPにシンキングにヘビーシンキングに。

それでも入らないエリアにウルトラヘビーシンキングのアリで入り込むのである。

バイブレーションでは激流の中に入らないだろう。

だからデカリップを持ったアリのウルトラヘビーシンキング ミノーなのである。

どんな激流でも飛び出さず深く入り込むスイムバランスは、

ほかのミノーではできない芸当だ。

ではこのアリ60&70UHを止水やトロ場で使ったらどうなのか。

はっきり言って流れ専用設計で、止水やトロでは水を噛ませづらく使いにくい。

ハードなフルトゥイッチ、ジャーク、高速巻きでの使用はOKだが、

止水やトロでのスローで優しいトゥイッチやスローリトリーブには不向きである。

研ぎ澄まされた流れ専用の尖ったミノーなのだ。

是非 ガンガン瀬、深瀬、押しの強い本流の流心底波で使っていただきたい。

どこでも使えるミノーではなく、

特異なポイントで爆発する超エキセントリックな秘密兵器なのである。

ひとたびこれを使いこなせば、いままで捨てていたあのビッグトラウトが

面白いようにヒットする。

使い方を選ぶミノーであるがゆえに、

誰もが諦めるあのスレた鱒族をヒットさせられるのである。

実は止水やトロでも使いやすい、バーサタイルな

ヘビーシンキングミノー 60&70のHや

サイズアップの80&90など新作を企画中。

幅広く使えるよう増殖予定なのであるが、

先ずは尖った、どこにも無い

狂気のミノーから先行発売しようという話になったのである。

どんなシチュエーションにもアリシリーズで対応できるよう開発中であります。

是非お楽しみに。

 

次にアリ ユーザーから聞こえてくる声。

先ずはリップやボディーの強度。

7cm18gという破格なスペックからご理解いただきたいのは、

キャストで石に当てたり、ボトムノックした時に通所の7cm 9gくらいのヘビーシンキングミノーの3倍以上衝撃がかかるということである。

 

アリ60&70のボディーは最強のソルト大物使用の高強度発砲素材であるが、

重いものを思いっきり石に投げつけたらそれは壊れるだろう。

そのあたりは理解してキャスティングの技術を磨いて頂きたい。

リップも差し込みリップは取れることが宿命だが、

同じく7cm9gのミノーよりも3倍以上力が加わるので

、ボトムノックには注意が必要である。

又、石際ギリギリや壁際ギリギリにライナーキャストすると、

着水後に18グラムの魚雷が突っ込んで行き、惰性で石や壁に激突する。

ゆるゆるポトンキャストか、ライナーの場合は水中での慣性を考慮した少し手前での

着水を意識していただきたい。

要はぶつけなければ良いのである。

超ヘビーなルアーなので衝撃にはご注意いただきたい。

 

その他のシチュエーションは

例えば向こうから真ん中が流心で深く、手までが徐々に浅くなり

腰までウエーディングできるような瀬での注意事項。

流心の1.2mの底波に入れて、そのまま手前まで引いて来れば当然ボディーやリップは

徐々に浅くなり石やボトムにコンタクトする。

無理やり引いてくるとやはり通常のルアーの何倍も負荷がかかり破損に繋がる、

ユックリ回収すると当然、根がかりが頻発する。

流心の深い部分を過ぎたらロッドは立てて、やや早めに巻き取ってほしい。

なんせ重いルアーなのであるから、その引き方はご注意いただきたい。

投げて巻いてステディーに同じ深さをキープして、自動的に釣れるというような

イージーユージングのルアーではないのである。

使い手、使い方を選ぶが、ちょっとした上記の事を意識していただければ

物凄い成果を引き換えに手にできるのだ。

 

まさにスペシャリストのための秘密兵器。

こんな尖ったミノーが存在してもいいじゃないか。

だから僕は惚れ込んで使い込んでいる。

そした結果は物凄いことになっている。

 

今までなかったミノー、

今までのスペックを遥かに凌駕する狂気のミノー。

これを使いこなしたら、信じられない爆釣の世界が待っている。

 

最後にメンテナンスサービスのお話し。

仮にリップが取れてもボディーは強度が有るので抜けるだけ。

そのために常に交換用リップは販売しているので安心して使っていただきたい。

もしリップが取れても修理しながらリサイクルして使ってほしい。

修理はホームセンターなどで売っている2液性のエポキシで固め、

両脇を瞬間接着剤で補強すれば蘇る。

 

色々ご要望をお聞きした部分が少しでも解決できればと、

マニュアルにまとめさせていただいた。

分かりにくいこともあるでしょうが、

メールにてお問い合わせいただければ、理解できるまで説枚いたします。

 

じゃじゃ馬を乗りこなしてこそ、

貴方は真のエキスパートに進化出来るのです。

きっと貴方なら、僕らと同じ夢を掴めるはずだ。

 

僕たちはそう信じています。

一生のメモリアルとなる、奇跡のビッグトラウトとの出会いを

サンレアルは応援し続けます。

ビッグトラウト・・皆さんに釣れますように。

 

TOKYO ROD&GUN CLUB 田中 秀人

 


投稿者 : hide 投稿日時: 2016-12-07 05:10:58 (4561 ヒット)

道東湿原のヤチマナコと蛇行する原野の流れ

「アメマスとヒグマの森」

東京ロッド&ガンクラブ 田中 秀人

 

ここは北海道、釧路湿原のさらに東。

11月初旬、晩秋~初冬の旅。

湿原の落とし穴『ヤチ マナコ』の原野にて。

ウォー ターべッドのようなタプタプした水草カーペットの上を歩いていると

突然腰あたりまではまり込む。その底はズブズブと底なし沼のように泥炭が足を取り、湿原への侵入者を引きずり込んでゆく。それが湿原のヤチナマコ。

 

この夏は台風が3つもあの北の大地を襲い、道東の湿原河川も氾濫してまわりの湿地はいつもの秋よりたっぷりと水を含んでいる。

草をかき分け、笹薮を越え、ぬかるんだ湿地を進み、小川を渡り、湿原の流れを蛇行しながら遡行する。同行する若い衆の万歩計アプリは2万歩を毎日超えている。

早朝は氷点下になる湿原を、相当早いピッチでピンスポットを打ちながら移動する。

ヤチマナコの罠におびえながら・・・。

 

エントリー箇所は街道にかかる橋からであるが、

そこから永遠に遡行してタイムリミットになると

競歩並みの速足で元来た湿原を引き返すのである。

日が暮れると獣の時間になる。

行きはよいよい、帰りはこわい・・・

 

ヤチナマコにはまる。

同行者の手を借りてなんとか引きずり出してもらう。

一人だったら熊の襲来を待つのみだろうか。

実際この釣行でもヒグマに遭遇した。

森の中でガンをつけながら、消えていったブラウンベアー・・・。

その至近距離30m・・・

あの森で地元のハンターは昨シーズン15頭のヒグマを仕留めたらしい。

いわゆるハンターが通うヒグマの巣なのである。

いたるところに痕跡・・・絶句。

 

湿原の森とヤサは原野の一軒家。

地元のスペシャリストたちに合流して強化合宿の始まりである。

何が合宿かって?

男を磨く合宿であります。

先ずは夜の部。夜な夜な飲み倒す。

4晩の酒盛りは夕方スタートして終了は、

早くて夜中の1時、最長は未明の4時まで・・・

(僕は2時でアウトしたが・・・)

そして4日間のハードな釣り。

飲んで寝不足でさらに湿原の悪路を毎日2万歩・・・・。

釣りは恐ろしくテクニカル。

無理な体勢から360度ロッドを振り抜き、ピンポイントに障害物を避けて壁際ぎりぎりにタイトにストラクチャー狙いのキャストが続く。

ゴンゴンに流木や倒木が複雑に絡み合い、

さらにしっかりと沈めないとやつらは出てこないと言うシビアな状況。

デカイやつがかかっても、フルロックで抑え込まなければ主導権を取られ、

ラインブレイク必至。

時には沈めて引いてアピールできる距離が1mも無いスポットが続くのである。

 

不慣れな湿原の遡行を支える体力。

超難易度の高いキャストとストラクチャーゴンゴンのファイトを制するスキル。

まずはこの釣りに参加できるかどうかのハードルはかなり高い。

究極のテクニカルなスタイル。

まずはそのテクニックのレベルにあるのか?ついてこられるのか?

参加するアングラーを選ぶハイレベルのスタイルが存在する。

そしてもう一つ付け加えよう・・・酒に強いかである。

 

メインのターゲットはアメマス。

それも60cmを超えるランカークラス。

さらに70オーバーが潜み、それ以上のデカイやつも上がるらしい。

 

この4日間、数は結構出た。

サイズは30cmから40cmがほとんどだが、良型の50UPや

今回の最大級60UPが混じり、案内人の70アップのバラシもあった。

それでも状況がシビアで食いが渋い、サイズが小さい・・・

と地元のスペシャリストは口にする。

凄まじいパラダイスがここには存在する。

フラフラになりながら手にしたあの原野のネイティブたち。

美しく初冬の濃い色に染まったアメマス。

ディープな紫色が複雑な反射を見せて、万華鏡のようにアングラーを引き込んでゆく。

キャンバスにも描き切れないこの自然の宝光は、

この湿原に立つ者のみが得られる特権なのである。

倒木とディープエリアへのアプローチで、

ミノーのトレブルフック2本が邪魔になる。

フックをシングルにする。それでもロストの嵐。

課題は山積み・・・。

ここで、地元のアングラーが操る、

肉厚でスッと沈み短い距離でも立ち上がりの良いシングルフックのスプーンが

必然性と共に決定的な威力を発揮していた。

小さいスポットでもポンポンとアメマスをヒットさせていく道東のアングラーたち。

だからあのスプーンなのか・・・納得のウェポンである。

さて僕はミノーだ。

サンレアルの新作 アリ60と70のHタイプ。

UHより軽く、立ち上がりが良く、

アップでもスローでも止水でも使いやすいのがコンセプト。

7cmで15g、6cmで11gが今回のプロトタイプの設定。

この湿原で、これが上手くハマった。

スッと沈みスッと立ち上がりブルッとローリンウォブで誘う。

4日間で50匹ほどゲットした半分は今回のアリHの活躍であった。

後の半分は弾不足でロストしてUHや他のシンキングミノーで対応したが

スッと沈むスッと立ち上がるコンセプトをさらにブラッシュアップする必然性を実感した。

それほどスーパーテクニカルな釣行であった。

 

状況によりフック設定の必要性と、さらなるミノー進化のヒントを沢山もらった濃密な旅。

アリの60と70のHは課題ができたのでもうすこし改良したい。

半端な完成でのリリースはしたくないので、少し時間を頂きたい。

今回お世話になった北海道のルアーメーカー 

ノーザンライツの春日さんと友人たちに大変お世話になった。

感謝感謝であります。

あり得ないハイテクニックと、状況判断、難敵の攻略と緻密で繊細なタクティクス。

道東の懐の深さと、無限の可能性。まだまだ学ぶことが多い。

 

そして計り知れない魔物が潜むあの原野の果てに、

未だ見ぬ巨大なモンスターたちが深みに集い、

ヒソヒソ話しが今日も続いているのである。

太古の時代に引きずり込まれ、心はあの湿原に置いてきた。

 

必ず戻ると誓ったあの原野の蛇行する原始の川。

もうすでに、巨大な主が僕の脳裏を泳いでいる。

一人道東をさまよった3日間、合宿の4日間。

出会った100匹のアメマスたち。

50cmで良型、61cmが最大。

濃密な道東と僕との関係である。

 

後日 同行した地元のアングラーからメールが入る。

「また いっぱい歩きましょう。」

そう、あの釣りは歩いて歩いて。

歩けば歩くほどデカいのに出会える可能性が高まるのである。

ひと冬、体を鍛えて仕切り直しだ。

 

ペンを執っても、ヤチナマコに足を取られ、

すでに汗ばみ、体から湯気が立ち上るのである。(続く・・・)

 

 

 


投稿者 : hide 投稿日時: 2016-11-25 06:49:04 (3533 ヒット)

神秘の湖畔に夕焼けのヒメマスを見た

東京ロッド&ガン クラブ 田中 秀人

 

ヒメマス それは陸封され一生湖で暮らす紅鮭。

この希少な鮭鱒族は限られた地域と限られた湖でしかお目にかかれない。

ここは北海道、道東の屈斜路湖

あのクッシーで有名な恐竜が棲む?神秘の湖である。

ヒメマスのほかにニジマスやアメマスなどもターゲットとなるが、

今回は本州でなかなかお目にかかれないあのヒメマスを狙ってやってきた。

 

この地のヒメマス、秋から晩秋にかけて浅場にのっこみ、ポイントが絞りやすい状況になる。

ルアーのキャステングで狙いやすい状況が生まれるのだ。

水面をピチャピチャやりながら群れが近づいてくる。

表層でも釣れるが、今日の群れはボトムを這うようにグルグル巻いている。

活性が高ければフローティングミノーでも釣れるとの事だが、

シーズン終盤のこの時期は叩かれまくってスレてしまっている。

こういう状況では沈めてスローにネチネチと狙いたい。

 

この日は、キャスト~ボトムを取り~リフト&フォールが効果的であった。

キャストを続けると群れが追いかけてきてすぐ目の前で渦を巻き群れ始める。

ロングキャストは必要なくなり、ひたすらねちっこくリフト&フォールを繰り返す。

そしてそのバイトはフォール時に集中していた。

 

同行の友人たちは既にコツをつかみ連発している。

素直にそのアクションを参考にして、僕のヒット率もうなぎ上りに上がっていった。

コツをつかむとヒットのボルテージはどんどん上がってゆく。

フォール・・・それもなるべくゆっくりとユラユラ沈みながら誘ってドン。

 

さらにスレてもっとスレるほど、

フォールへの反応を意識して、この赤いヒメマスを誘うのである。

小型のスプーンで狙うことが定番のヒメマス。

あいにく小型スプーンは2つほどしかBOXにはなく、

よさげな沈むプラグ、それもひらひらと沈むプラグを多用することになる。

小型シンキングミノー、小型シンキングペンシル、小型のジグなど

ヒラヒラにハイテンション。

 

アリの50 S H UHの活躍はもちろん、

リップのとれたシンペン状態のアリも好感触で湖には仲間の笑顔と笑い声が響き渡る。

圧巻は小型サイズの須佐。

このシーバス用に開発されたプラグの小型版がハマったのだ。

その沈下速度とひらひら沈みながら舞う様に落ちて行くフォーリング姿勢が

あの日の釣りにジャストフィットした。

サンレアル 須佐のスモールでヒメマス爆発である。

晩秋~初冬に入り始めた11月の初旬。

ヒメマスのシーズンとしては最終盤にあたる。

婚姻色で染まったその赤い魚体は晩秋の落葉と伴に黒みを帯び、

日没寸前の夕焼けを思わせる神秘の光沢を放っていた。

なんと神々しいカオスの面構えとソリッドゴールドに輝く瞳。

普段見慣れた鱒族とはまた違った、独特の赤黒い衣装をまとうその姿は

まるで戦国武将のように幻想的である。

 

敵は風と低気温。

湖の風はあっと言う間に僕らの体温を奪い、小雪が舞う。

ガイドは凍結し、水温3℃以下のウエーディングは下半身の感覚をマヒさせてゆく。

しかしそれ以上に熱いヒメマスのアタックに湯気が立つ。

この貴重な鮭鱒族に出会い、辛い初冬の釣りに、一時の安らぎと織りなしてやってくる興奮に身も汗ばむ。

流れに逆らうことなく、心地良く水面に浸ってゆくのであった。

晩秋の道東、そこには何度も通いたくなる未知なる釣りが沢山待っている。

一つの形にとらわれないルアーフィッシングの面白さと奥の深さが、

あの地の旬にぎっしり詰まっている。

この繊細かつ雄大なフィールドの魅力にすっかり憑りつかれてしまった。

また行こうあの壮大なる北の大地へ・・

工房にこもり、年末に向かう多忙な日常と雑踏のなか、

今もまだ僕の魂は北に置きっぱなしになっている。

早く拾いに戻らなければ、抜け殻になってしまう。

ペンを執り印刀を握り、キーボードを打つ手に反比例して

頭の中は今日もあの夕焼けに支配されている・・・ 

目を閉じれば湖上の鏡に映った真っ赤な山々が、

手が届くほど近くまで迫って来るのであった。 (続く・・・)


投稿者 : hide 投稿日時: 2016-11-23 04:45:50 (10150 ヒット)

夏の衝撃 

新たなるウルトラヘビー シンキング ミノーイングの世界

(飛騨高山~あの滝壺に幻の夏サクラを見た・・)   田中 秀人

 

真夏のサクラマス

それも夏マスではなくてフレッシュラン。

この響きを聞いて耳がダンボにならないアングラーはいないだろう。

あの山上湖の湖沼型サクラマスは8月の一雨ごとに遡上を始めるのだ。

あれは35年以上前の青年時代、真夏の山上湖での出来事。

出会ったあの方は仙人であったのだろうか。

 

真夏の照り返しを激しく映す山上湖の流れ込みで、描き出された太陽と山々の木々がさざ波に揺れ、陽炎の向こうに軽いめまいを感じた暑い昼下がりの出来事。

「何を釣りたいの?」あじかを下げた山師が後ろから声をかけてきた。

「大岩魚か大ヤマメ。」

髭をさすりながら含み笑いでその初老の山師が、一つ間をおいてさらに一歩前。

聞いてもいないのに語り始めた。

「ここじゃないだろうよ。雨後にこの流れを上ったらいい・・・保のダムのヤマメは一雨ごとに川を遡る。深いところ深いところを選んで通りながらな・・・8月にはもう動き出すのじゃよ。」

適当に聞き流している青年にはピンと来ない。

するとその山師が

「わしは川漁師じゃ。アユやウナギを取っておる。するとな・・網に入るのよ・・保の尺5寸・・銀のヤマメは底に張り付きながら少しずつ上流に向かうのじゃ。しかし2尺近いやつは夏には動かんのじゃよ。晩秋までダムにおる・・そいつが川に上がるころは禁漁じゃ。」

「えっつ???」

神通川水系最大の貯水量を誇るこの山上湖 保のダム(ホのダム)は、

春の解禁から5月6月のワカサギ接岸期まで、40cmUPの湖沼型サクラマスが狙える。

その上のサイズもいるのだが、めったには釣れない。

10月も半ばを過ぎると流入河川でペアリングしている真っ赤な湖沼型サクラマスがあちこちで見られるが、それは禁漁期間に入ってからの出来事。

河川遡上の鱒はこの水系で狙うことは出来ないという思い込みがあった。

 

仙人は言った。

あのリザーバーの湖沼型サクラマス、とある一群は8月遡上するのだと。

 

それを確かめるにはしばらくの間、トライ&エラーが必要であった。

当時の僕はルアーマンではあるがスプーン、スピナーの使い手で、特に湖でのスプーニングがメインであった。

そこに目うろこの、あの事件が起こるのである。

その流入河川を遡り絶対これ以上遡上できない、いわゆる魚止の滝。

小型のスプーンやスピナーを滝壺に向かってキャストするが沈む間もなく流され、それでも岩魚やヤマメは釣れた。

ひんやりとした真夏の滝壺にて、ふと人の気配を後ろに感じた。

振り返ると誰もいない・・。

それで満足している若者の脳裏にあの仙人の囁きが突然フラッシュバックした。

「尺5寸の大ヤマメが底に張り付いている・・・。8月の一雨ごとに・・」

ふと目にするとルアーケースに細身で重いスプーン、ダイワのハーレー ブルーシルバー 16gが飛び込んできた。(12gだったかもしれないが、もう少し重かった気がする)

6cmのスプーンは細身で、ウエイトが上がっても形は同じで肉厚になってゆく。

山上湖で重宝していた小粒で重いスプーンを滝壺にめがけてチョイ投げし、

スプールを押さえながらフリーフォールさせてボトムに入れる。

ユックリしゃくりあげて、ブレイクラインでロッドを反対に倒したその時、深い滝壺で銀色の塊がもんどり打った・・。生まれて初めて手にしたあの山上湖からの遡上マス。

仙人の尺5寸、45cmの湖沼型サクラマス。

それからしばらくは、夢中でこの釣りを探った。

山上湖の流れ込みから魚止の滝まで、長い区間をくまなく探った。

流れには不釣り合いの重いスプーンをひっさげて。

そして自分なりの釣り方とあの夏遡上マスが止まるポイントも絞れてきた。

止まる場所は何か所もない。いないときは全くいない・・。

さらに川に上がって時間が経過すると、反応が悪くなる。

遡上直後がチャンスなのだ。

簡単な釣りではなく、Xデイを信じて通い詰める忍耐が必要な釣りである。

 

いつしか僕は「ルアーで釣りたい」から、

「全てプラグで釣りたい」と意地を張るようになり、

あのマスを絶対ミノーで釣りたいとさらにムキになった。

あまりに釣れないので弱気になってジグも試した、ジグミノーも試した。

幅を広げたとしても、スプーン以外で釣りたいとやっきになる。

ここはバイブレーションだろうと、ボトムを攻めてみたが

流れでターンするときにプラグが斜めに傾くと見切られてしまった。

あのマスは底にいる。フローティングミノー、シンキングミノー、ディープダイバー・・

そのどれもがあの聖域のボトムには届かないのである。

いつしか夏場は他の釣り方にのめり込むようになり、知らず知らずのうちにあの滝壺から足が遠のいてしまった。

 

あれから20年・・・。

ここ数年、没頭してのめり込んでいるスタイルがある。

それはヘビーシンキング ミノーイング全盛の中、さらにその先を行く、

ウルトラヘビーシンキングのプラッギングワールド。

バイブレーションの重さと飛距離と沈下速度でミノーの動き。

そしてガンガン瀬の猛烈な押しの強い本流の底波を飛び出さず、

底を泳ぎ切る流れの中の王者たるミノー。

それが奇跡のウルトラヘビーシンキングミノー ニューカマーの「アリ」なのだ。

ダメ出しを繰り返し、この無理難題をクリアするのには3年以上のフィールドテストを要した。無理と矛盾と難解な宿題をクリアしたこのスーパーウェポンは、すでにあらゆるビッグトラウトに驚異の釣果を出し始めている。

 

アリの60サイズを手にした時に、すぐにあの夏の日が脳裏をよぎった。

6cmで16g。コンセプトはバイブレーションの沈下速度と飛距離でミノーの泳ぎだ。

そしてどんな早い流れでも飛び出さない流れのマスター専用設計。

嘘だろう?それが本当なのだ。

 

満を持して夏を待つ。

そして8月・・異常なまでの不安定な天候は酷暑とゲリラ雷雨を交互に繰り返した。

20年前とは気候も川の条件も変わってしまったのか。

ずいぶんとあの川も土砂で埋まって浅くなったようだ。

しかし、絶対に夏に遡るマスがいるはずだ・・・

期待と不安の中、真夏の徘徊が始まった。

毎朝の滝壺パトロールが始まったときには、濁りと増水に巻き込まれていた。

暴れた雷神と龍神が治まる時・・そして次の甘い雨・・。

チャンスは果たして訪れるのだろうか。

 

タクティクスはこうだ。

滝壺のボトムにアリ60を送り込む。

泡の中にキャストするのではなく滝流れの壁にぶつけて巻き込まれて一気に底に落とし込むのである。ボトムからリズミカルなフルトゥィッチで斜めにしゃくり上げてくる。

そしてここからが肝心要だ。

底に張り付いたマスに直接アプローチするのである。

だからしっかりとボトムを取ること。中途半端な沈め方ではあのマスは反応しない。

ブレイクラインでロッドを反対に倒して角度をつけ、ミノーの斜め横を見せる。

底から喰いあげたマスが体を反転してアリを襲うのだ。

ストレートコースのフルトゥィッチでは見切られ、テールフックを触ってショートバイトになることが多い。

 

ここまで掴めばあとは毎朝の早起きと、通い詰める根性だけ。

日中の酷暑をさけ、朝一番の滝壺。

滝の霧とマイナスイオンに包まれ、あの深淵のボトムにブレットを打ち込むのである。

 

8月の我慢比べ2週間、今年の酷暑は本当にこたえた。

しかしついにその願いと募る思いと練りに練ったタクティクスは確信に変わり、

下流エリアの鱒溜まりの岩盤で2本ドカンと出た。

そして最後にあの滝壺で狙いの湖沼型サクラマスがハンドランディングされたのだ。

仙人の声が木霊する。「オーイ・・オーイ・・大ヤマメ釣れたかい。」

あの時と変わらず遡上していたマスは銀ピカのフレッシュランで見事な幅広。

岩盤のスリットにて・・・サイズは一本目の42cm、サイズアップの45cm。

ミノーが底まで入りきらずどうしても出なかった深淵で、

ウエイトアップの7cm 18gにチェンジしてボトムを取る。

この一群の中では特筆のビッグサイズが魚止の滝壺で手にした48cm。

3本のグラマラスな銀塊。

フレッシュランだけれど淡水湖から川への遡上のため、シーランフレッシュのようにボロボロうろこが落ちることはない。それがこの陸封型サクラマスの特徴でもある。

 

この宝石に出会えた幸せ。

いくら鱗が落ちにくいとはいえ、ネットを使えばハラハラ落ちる。

傷めず無傷の銀鱗に逢いたい。

だからハンドランディングで決めた。

あそこまでガッツリ ベリーフックを食わせたら絶対ばれない。

狙って通い続けた朝一番の滝壺。クロックワークの14日間。

3つのバイト・・その時、35年の時が一瞬で巻き戻されたのである。

タイムマシーンに乗った僕は、

魚止の滝壺の朝もやの中で無心にキャストし続けている17歳の青年を見た。

「はっつ・・・。」と息をのむ。

優しいゴルジェの木漏れ日に包み込まれ、あの瞬きに時が止まり、

滝壺の霧の中に現れた丸い虹の円から仙人の声が飛騨の山々に木霊した。

「おーい・・おーい・・大ヤマメ釣れたかい・・」  

 

TO BE CONTINUED・・・・

 

 

使用タックルのスペック

ベイトROD:ノリクラ ロッダーズガン Dr.ボロン 58H プロトタイプ

      :ノリクラロッド バンブー トラウト&ストリーム フェザー58MH 

ベイトリール:アブ アンバサダー 2501c SJチューニング

      :アブ アンバサダー 2601c エリート SJチューニング

ルアー:サンレアル アリ60 UH 6cm 16g

          アリ70 UH 7cm 18g 

ライン:東亜ストリングス レグロン ワールドプレミアム ナイロン 10Lb

リーダー:フロロカーボン16Lb

*オーバータックルと思われるだろうが、ウルトラヘビーシンキングミノーの根がかり回収とボトムまで送り込む岩盤スリットでの根ズレ対策が必要。

ロッドはウルトラヘビーで引き抵抗が強いアリを使うため、50cmトラウト想定のロッドよりもワンランク強いベイトロッドとベイトリールがマッチングシステムとなる。

岩盤のスリットや、大岩が点在するボトムでのアプローチのためルーズドラッグは禁物。

1.5Kgのドラッグテンションのため、メインラインが細すぎると

ビッグワンのファイト中スプールに食い込んでラインブレイクする場合がある。

そのためにメインはナイロン10Lb以上を使うことを推奨する。

 


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