神秘の湖畔に夕焼けのヒメマスを見た
東京ロッド&ガン クラブ 田中 秀人
ヒメマス それは陸封され一生湖で暮らす紅鮭。
この希少な鮭鱒族は限られた地域と限られた湖でしかお目にかかれない。
ここは北海道、道東の屈斜路湖
あのクッシーで有名な恐竜が棲む?神秘の湖である。
ヒメマスのほかにニジマスやアメマスなどもターゲットとなるが、
今回は本州でなかなかお目にかかれないあのヒメマスを狙ってやってきた。
この地のヒメマス、秋から晩秋にかけて浅場にのっこみ、ポイントが絞りやすい状況になる。
ルアーのキャステングで狙いやすい状況が生まれるのだ。
水面をピチャピチャやりながら群れが近づいてくる。
表層でも釣れるが、今日の群れはボトムを這うようにグルグル巻いている。
活性が高ければフローティングミノーでも釣れるとの事だが、
シーズン終盤のこの時期は叩かれまくってスレてしまっている。
こういう状況では沈めてスローにネチネチと狙いたい。
この日は、キャスト~ボトムを取り~リフト&フォールが効果的であった。
キャストを続けると群れが追いかけてきてすぐ目の前で渦を巻き群れ始める。
ロングキャストは必要なくなり、ひたすらねちっこくリフト&フォールを繰り返す。
そしてそのバイトはフォール時に集中していた。
同行の友人たちは既にコツをつかみ連発している。
素直にそのアクションを参考にして、僕のヒット率もうなぎ上りに上がっていった。
コツをつかむとヒットのボルテージはどんどん上がってゆく。
フォール・・・それもなるべくゆっくりとユラユラ沈みながら誘ってドン。
さらにスレてもっとスレるほど、
フォールへの反応を意識して、この赤いヒメマスを誘うのである。
小型のスプーンで狙うことが定番のヒメマス。
あいにく小型スプーンは2つほどしかBOXにはなく、
よさげな沈むプラグ、それもひらひらと沈むプラグを多用することになる。
小型シンキングミノー、小型シンキングペンシル、小型のジグなど
ヒラヒラにハイテンション。
アリの50 S H UHの活躍はもちろん、
リップのとれたシンペン状態のアリも好感触で湖には仲間の笑顔と笑い声が響き渡る。
圧巻は小型サイズの須佐。
このシーバス用に開発されたプラグの小型版がハマったのだ。
その沈下速度とひらひら沈みながら舞う様に落ちて行くフォーリング姿勢が
あの日の釣りにジャストフィットした。
サンレアル 須佐のスモールでヒメマス爆発である。
晩秋~初冬に入り始めた11月の初旬。
ヒメマスのシーズンとしては最終盤にあたる。
婚姻色で染まったその赤い魚体は晩秋の落葉と伴に黒みを帯び、
日没寸前の夕焼けを思わせる神秘の光沢を放っていた。
なんと神々しいカオスの面構えとソリッドゴールドに輝く瞳。
普段見慣れた鱒族とはまた違った、独特の赤黒い衣装をまとうその姿は
まるで戦国武将のように幻想的である。
敵は風と低気温。
湖の風はあっと言う間に僕らの体温を奪い、小雪が舞う。
ガイドは凍結し、水温3℃以下のウエーディングは下半身の感覚をマヒさせてゆく。
しかしそれ以上に熱いヒメマスのアタックに湯気が立つ。
この貴重な鮭鱒族に出会い、辛い初冬の釣りに、一時の安らぎと織りなしてやってくる興奮に身も汗ばむ。
流れに逆らうことなく、心地良く水面に浸ってゆくのであった。
晩秋の道東、そこには何度も通いたくなる未知なる釣りが沢山待っている。
一つの形にとらわれないルアーフィッシングの面白さと奥の深さが、
あの地の旬にぎっしり詰まっている。
この繊細かつ雄大なフィールドの魅力にすっかり憑りつかれてしまった。
また行こうあの壮大なる北の大地へ・・
工房にこもり、年末に向かう多忙な日常と雑踏のなか、
今もまだ僕の魂は北に置きっぱなしになっている。
早く拾いに戻らなければ、抜け殻になってしまう。
ペンを執り印刀を握り、キーボードを打つ手に反比例して
頭の中は今日もあの夕焼けに支配されている・・・
目を閉じれば湖上の鏡に映った真っ赤な山々が、
手が届くほど近くまで迫って来るのであった。 (続く・・・)
夏の衝撃
新たなるウルトラヘビー シンキング ミノーイングの世界
(飛騨高山~あの滝壺に幻の夏サクラを見た・・) 田中 秀人
真夏のサクラマス
それも夏マスではなくてフレッシュラン。
この響きを聞いて耳がダンボにならないアングラーはいないだろう。
あの山上湖の湖沼型サクラマスは8月の一雨ごとに遡上を始めるのだ。
あれは35年以上前の青年時代、真夏の山上湖での出来事。
出会ったあの方は仙人であったのだろうか。
真夏の照り返しを激しく映す山上湖の流れ込みで、描き出された太陽と山々の木々がさざ波に揺れ、陽炎の向こうに軽いめまいを感じた暑い昼下がりの出来事。
「何を釣りたいの?」あじかを下げた山師が後ろから声をかけてきた。
「大岩魚か大ヤマメ。」
髭をさすりながら含み笑いでその初老の山師が、一つ間をおいてさらに一歩前。
聞いてもいないのに語り始めた。
「ここじゃないだろうよ。雨後にこの流れを上ったらいい・・・保のダムのヤマメは一雨ごとに川を遡る。深いところ深いところを選んで通りながらな・・・8月にはもう動き出すのじゃよ。」
適当に聞き流している青年にはピンと来ない。
するとその山師が
「わしは川漁師じゃ。アユやウナギを取っておる。するとな・・網に入るのよ・・保の尺5寸・・銀のヤマメは底に張り付きながら少しずつ上流に向かうのじゃ。しかし2尺近いやつは夏には動かんのじゃよ。晩秋までダムにおる・・そいつが川に上がるころは禁漁じゃ。」
「えっつ???」
神通川水系最大の貯水量を誇るこの山上湖 保のダム(ホのダム)は、
春の解禁から5月6月のワカサギ接岸期まで、40cmUPの湖沼型サクラマスが狙える。
その上のサイズもいるのだが、めったには釣れない。
10月も半ばを過ぎると流入河川でペアリングしている真っ赤な湖沼型サクラマスがあちこちで見られるが、それは禁漁期間に入ってからの出来事。
河川遡上の鱒はこの水系で狙うことは出来ないという思い込みがあった。
仙人は言った。
あのリザーバーの湖沼型サクラマス、とある一群は8月遡上するのだと。
それを確かめるにはしばらくの間、トライ&エラーが必要であった。
当時の僕はルアーマンではあるがスプーン、スピナーの使い手で、特に湖でのスプーニングがメインであった。
そこに目うろこの、あの事件が起こるのである。
その流入河川を遡り絶対これ以上遡上できない、いわゆる魚止の滝。
小型のスプーンやスピナーを滝壺に向かってキャストするが沈む間もなく流され、それでも岩魚やヤマメは釣れた。
ひんやりとした真夏の滝壺にて、ふと人の気配を後ろに感じた。
振り返ると誰もいない・・。
それで満足している若者の脳裏にあの仙人の囁きが突然フラッシュバックした。
「尺5寸の大ヤマメが底に張り付いている・・・。8月の一雨ごとに・・」
ふと目にするとルアーケースに細身で重いスプーン、ダイワのハーレー ブルーシルバー 16gが飛び込んできた。(12gだったかもしれないが、もう少し重かった気がする)
6cmのスプーンは細身で、ウエイトが上がっても形は同じで肉厚になってゆく。
山上湖で重宝していた小粒で重いスプーンを滝壺にめがけてチョイ投げし、
スプールを押さえながらフリーフォールさせてボトムに入れる。
ユックリしゃくりあげて、ブレイクラインでロッドを反対に倒したその時、深い滝壺で銀色の塊がもんどり打った・・。生まれて初めて手にしたあの山上湖からの遡上マス。
仙人の尺5寸、45cmの湖沼型サクラマス。
それからしばらくは、夢中でこの釣りを探った。
山上湖の流れ込みから魚止の滝まで、長い区間をくまなく探った。
流れには不釣り合いの重いスプーンをひっさげて。
そして自分なりの釣り方とあの夏遡上マスが止まるポイントも絞れてきた。
止まる場所は何か所もない。いないときは全くいない・・。
さらに川に上がって時間が経過すると、反応が悪くなる。
遡上直後がチャンスなのだ。
簡単な釣りではなく、Xデイを信じて通い詰める忍耐が必要な釣りである。
いつしか僕は「ルアーで釣りたい」から、
「全てプラグで釣りたい」と意地を張るようになり、
あのマスを絶対ミノーで釣りたいとさらにムキになった。
あまりに釣れないので弱気になってジグも試した、ジグミノーも試した。
幅を広げたとしても、スプーン以外で釣りたいとやっきになる。
ここはバイブレーションだろうと、ボトムを攻めてみたが
流れでターンするときにプラグが斜めに傾くと見切られてしまった。
あのマスは底にいる。フローティングミノー、シンキングミノー、ディープダイバー・・
そのどれもがあの聖域のボトムには届かないのである。
いつしか夏場は他の釣り方にのめり込むようになり、知らず知らずのうちにあの滝壺から足が遠のいてしまった。
あれから20年・・・。
ここ数年、没頭してのめり込んでいるスタイルがある。
それはヘビーシンキング ミノーイング全盛の中、さらにその先を行く、
ウルトラヘビーシンキングのプラッギングワールド。
バイブレーションの重さと飛距離と沈下速度でミノーの動き。
そしてガンガン瀬の猛烈な押しの強い本流の底波を飛び出さず、
底を泳ぎ切る流れの中の王者たるミノー。
それが奇跡のウルトラヘビーシンキングミノー ニューカマーの「アリ」なのだ。
ダメ出しを繰り返し、この無理難題をクリアするのには3年以上のフィールドテストを要した。無理と矛盾と難解な宿題をクリアしたこのスーパーウェポンは、すでにあらゆるビッグトラウトに驚異の釣果を出し始めている。
アリの60サイズを手にした時に、すぐにあの夏の日が脳裏をよぎった。
6cmで16g。コンセプトはバイブレーションの沈下速度と飛距離でミノーの泳ぎだ。
そしてどんな早い流れでも飛び出さない流れのマスター専用設計。
嘘だろう?それが本当なのだ。
満を持して夏を待つ。
そして8月・・異常なまでの不安定な天候は酷暑とゲリラ雷雨を交互に繰り返した。
20年前とは気候も川の条件も変わってしまったのか。
ずいぶんとあの川も土砂で埋まって浅くなったようだ。
しかし、絶対に夏に遡るマスがいるはずだ・・・
期待と不安の中、真夏の徘徊が始まった。
毎朝の滝壺パトロールが始まったときには、濁りと増水に巻き込まれていた。
暴れた雷神と龍神が治まる時・・そして次の甘い雨・・。
チャンスは果たして訪れるのだろうか。
タクティクスはこうだ。
滝壺のボトムにアリ60を送り込む。
泡の中にキャストするのではなく滝流れの壁にぶつけて巻き込まれて一気に底に落とし込むのである。ボトムからリズミカルなフルトゥィッチで斜めにしゃくり上げてくる。
そしてここからが肝心要だ。
底に張り付いたマスに直接アプローチするのである。
だからしっかりとボトムを取ること。中途半端な沈め方ではあのマスは反応しない。
ブレイクラインでロッドを反対に倒して角度をつけ、ミノーの斜め横を見せる。
底から喰いあげたマスが体を反転してアリを襲うのだ。
ストレートコースのフルトゥィッチでは見切られ、テールフックを触ってショートバイトになることが多い。
ここまで掴めばあとは毎朝の早起きと、通い詰める根性だけ。
日中の酷暑をさけ、朝一番の滝壺。
滝の霧とマイナスイオンに包まれ、あの深淵のボトムにブレットを打ち込むのである。
8月の我慢比べ2週間、今年の酷暑は本当にこたえた。
しかしついにその願いと募る思いと練りに練ったタクティクスは確信に変わり、
下流エリアの鱒溜まりの岩盤で2本ドカンと出た。
そして最後にあの滝壺で狙いの湖沼型サクラマスがハンドランディングされたのだ。
仙人の声が木霊する。「オーイ・・オーイ・・大ヤマメ釣れたかい。」
あの時と変わらず遡上していたマスは銀ピカのフレッシュランで見事な幅広。
岩盤のスリットにて・・・サイズは一本目の42cm、サイズアップの45cm。
ミノーが底まで入りきらずどうしても出なかった深淵で、
ウエイトアップの7cm 18gにチェンジしてボトムを取る。
この一群の中では特筆のビッグサイズが魚止の滝壺で手にした48cm。
3本のグラマラスな銀塊。
フレッシュランだけれど淡水湖から川への遡上のため、シーランフレッシュのようにボロボロうろこが落ちることはない。それがこの陸封型サクラマスの特徴でもある。
この宝石に出会えた幸せ。
いくら鱗が落ちにくいとはいえ、ネットを使えばハラハラ落ちる。
傷めず無傷の銀鱗に逢いたい。
だからハンドランディングで決めた。
あそこまでガッツリ ベリーフックを食わせたら絶対ばれない。
狙って通い続けた朝一番の滝壺。クロックワークの14日間。
3つのバイト・・その時、35年の時が一瞬で巻き戻されたのである。
タイムマシーンに乗った僕は、
魚止の滝壺の朝もやの中で無心にキャストし続けている17歳の青年を見た。
「はっつ・・・。」と息をのむ。
優しいゴルジェの木漏れ日に包み込まれ、あの瞬きに時が止まり、
滝壺の霧の中に現れた丸い虹の円から仙人の声が飛騨の山々に木霊した。
「おーい・・おーい・・大ヤマメ釣れたかい・・」
TO BE CONTINUED・・・・
使用タックルのスペック
ベイトROD:ノリクラ ロッダーズガン Dr.ボロン 58H プロトタイプ
:ノリクラロッド バンブー トラウト&ストリーム フェザー58MH
ベイトリール:アブ アンバサダー 2501c SJチューニング
:アブ アンバサダー 2601c エリート SJチューニング
ルアー:サンレアル アリ60 UH 6cm 16g
アリ70 UH 7cm 18g
ライン:東亜ストリングス レグロン ワールドプレミアム ナイロン 10Lb
リーダー:フロロカーボン16Lb
*オーバータックルと思われるだろうが、ウルトラヘビーシンキングミノーの根がかり回収とボトムまで送り込む岩盤スリットでの根ズレ対策が必要。
ロッドはウルトラヘビーで引き抵抗が強いアリを使うため、50cmトラウト想定のロッドよりもワンランク強いベイトロッドとベイトリールがマッチングシステムとなる。
岩盤のスリットや、大岩が点在するボトムでのアプローチのためルーズドラッグは禁物。
1.5Kgのドラッグテンションのため、メインラインが細すぎると
ビッグワンのファイト中スプールに食い込んでラインブレイクする場合がある。
そのためにメインはナイロン10Lb以上を使うことを推奨する。
真夏の大渇水
ドピーカン ジンクリアーでの本流ワイルドレインボー
「ここでも見せたアリのポテンシャル」
TOKYO ROD & GUN CLUB 田中 秀人
真夏の酷暑35℃超え・・・
この暑さは異常だろう。
人も魚もテンションが落ちる高気温、高水温、ドピーカン、渇水、ジンクリアー・・
5重苦の本流で、誰もが諦めるレインボーのビッグバイトを狙う。
そんな、ヒトッコヒトリいない本流でのテクニック。
あのワイルドレインボーはどこにいるのか・・・
ズバリ 白泡の落ち込みの直下にいる。
高水温で酸素供給量が多く、外敵の水鳥や猛禽類にも見つからない場所・・
そこは、ガンガン瀬の中から追いやられた弱い小ぶりのアユが追いやられる
格好の捕食場所でもある。
動かず餌を取り、身を守りながら、酸素も十分・・・
エアレーション状態に加え、高水温と酸欠で弱った餌の小魚も落ちてくる。
5重苦を乗り切るにはレインボーも居心地の良い場所を探すのだ。
注意することがある。
ポイントを攻略する中で一番やってはいけないことは、
直接この落ち込みへのキャスト。
一発でポイントを潰す上に、レインボーの潜むボトムに入る前に
ルアーが流されてしまう。
とにかく一番大切なことは、
落ち込みの一つ上の段にキャストして斜め上流からスッとあの白泡の下に
ウルトラヘビーシンキングミノー アリをダイレクトに送り込むということ。
しっかり底まで入れたら、ミノーをクロスでターンさせてバイトさせる。
わかりやすく言うと、泡下のボトム付近をアップクロスで通すのである。
一気に落とし込むには6cm 16gのアリ60が必携のウェポンである。
レインボーは小粒なルアーを好む。
5cmの小型ミノーへのビッグレインボーの反応はすさまじい。
しかしフックサイズの問題でやられてしまうことがほとんどである。
#6番のフックやしっかりとした太軸シングルフックの装着を考えると
6cmのアリがベストマッチであろう。
さらなるサイズダウンで太軸の強いフックが乗る5cmミノー、
アリ50 ヘビーデューティーの開発も、この釣りのためならば必然となる。
欲しいけど世の中に無いものは自分たちで作る・・・永遠のテーマである。
この宿題には求めるサイズとウエイト、動き、全て明確なコンセプトがあるのだが、
サンレアルの代表でルアーデザイナーのグッチ ヒトシが多忙すぎて、
なかなかそのリクエストのプロトが出来上がってこない。
ここでチョコットだけ催促していじっておこう。
早く作ってくれ・・・どうしても必要なのだ。
もたもたしていると還暦になっちゃうぞ!
さてさて長い前置きとうんちくで申し訳ない。
この夏は酷暑の8月。
そんな厳しい条件のすっかり日が上がったドピーカンの日中。
当然・・迷わず大場所の頭へと向かう。
一段上にキャストして泡下の落ち込みにアリ60を送り込む。
ポイントの上流に立ったら、スプーキーなマスが警戒して終わりだ。
アップで狙う本流のボトムトレース。
逆引きでは落とし込みきれない、ドリフトさせての泡下へのアプローチ。
一発でドカン!!
42cmの 天然繁殖 飛騨のワイルドレインボー!!
このタイプの50UP 60UP!モンスターの70cmUPも潜む・・・。
まるで海外の魚のように激しく険しい眼光。
完璧なプロポーションに、全鰭刺さるほどのシャープな鰭。
狙いはこのワイルドだ!
真夏でもレインボーを釣りたいのか?
よし・・じゃーアリ60UHを引っ提げてあのドピーカンの本流へ向かおう。
あとは貴方に忍耐力と酷暑に耐える体力が備わっているかである。
真夏の真っ昼間ドピーカン 渇水ジンクリアー・・
されどワイルドレインボーのバイト有り!
これもまたアリの独断場である。
夏休みは何するの?
・・マス釣りでしょう!!
不可能を可能にする奇跡のミノー
「アリの爆発的なパフォーマンスを見よ!」
スレッカラシのサクラマスを3本引きずり出したポテンシャル
TOKYO ROD&GUN CLUB 田中 秀人
ずいぶん遅い報告になってしまったが、5月終盤のお話し。
6月頭に交通事故に巻き込まれ、入院と通院とリハビリで2か月。
ようやく思い出したように今、ペンを取る事にした。
今年の北陸のサクラマスは他の日本海側河川と同様に解禁当初から好調であった。
僕の解禁もスムーズにスタート、3つの河川でここまで7本の鱒を手にした。
5月の中旬を過ぎるとサクラマスシーズンもいよいよファイナル。
水温も上昇してガンガン瀬のプラッギングが楽しめる。
叩かれたフィールドでスレッカラシの鱒たち。
ここでもまた、あのアリが炸裂した。
5月も終盤の北陸の某河川。
それも上流域のガンガン瀬。
ほとんどのサクラマス用ミノーが飛び出してはじかれる中、
アリだけはガンガン瀬のその下の底波をとらえて
ボトムキープトレースを可能にしてくれる。
流れの中で最強の泳ぎである。
現在フィールドテスト中のアリ70のHと80そしてこの春発売となった
アリ70UHがこの日も張り付いたマスを引きずり出した。
それはちょっとした雨の増水がスイッチであった。
だれてしまって皆が諦めたあの朝。ほんの5cmの増水がドラマを呼び起こした。
ガンガン瀬の頭のホットスポット。
ちょっとしたスペースの底に張り付いた、スレまくりの夏マス。
どのルアーにも反応しない。
ガンガン瀬で飛び出さず底波のボトムに入れられるミノー。
それがアリ70UHと80である。
この日も白泡の中でアリの80プロトが抑え込まれた。
一発目の62cm。筋肉質で絞り込まれた肉体は、瀬の王者たる風格だ。
アップに入れる・・しっかりボトムを取って底からクロスストリームでフルトゥイッチをかけてやる。この流れで、このレンジキープと決して飛び出さないバランスは奇跡的である。
どのミノーも入らない流れでサクラマスをかける。
これこそが人であふれ、いじめ抜かれ釣れなくなったサクラマスを手にする新しい釣り方なのである。
さらにすぐ、57cmのスピードのある鱒が喰ってきた。
チョイとレンジを変えてスイングさせるタイミングをずらしてドン!
恐るべし・・・アリの吸引力。釣れなかったマスを釣るために生まれてきたのだ。
対岸では双眼鏡で3人張り付いて僕の2本目を覗いている。
先ほど対岸で話をした彼らは、本日ノーバイト。
明らかにアリが絶望的な状況を打破し注目を浴びている。
2流し目は開きでジャックが喰ってきた。
なんと午前11時までに3本のサクラマスを手にした。
全てがアリでの奇跡的なヒット連発。
今日も活躍したウルトラヘビーの70UHと80UH。
もはや流れの秘密兵器だ。
そして現在テスト中の、プロト70Hは、
より立ち上がりとレスポンスを良くしたオールラウンドタイプ。
7cmで18gのUH。7cmで15gのH。
その使い分けは、沈下速度、飛距離、泳ぎ出しと止水での対応。
UH より遠くより深く、そして強い流れでのボトムレンジキープが可能。
Hは立ち上がりと泳ぎだしに優れ、止水やスロリトリーブもカバーする。
6cmのUH 7cmのUHがブレークした今シーズン。
より幅を広げバーサタイルに攻められるようやや軽いHをテスト中である。
来シーズンに向けて 60H&UH 70H&UH・・・
さらに80 90サイズもテストが始まった。
すでに伝説となりつつあるアリの軌跡。
サクラマス&ビッグトラウトが釣りたいのならば、
迷いなくこのアリを手に入れよう。
その使い方をマスターしたら、今まであきらめていたレコードに手が届く。
今年もまだまだ、夏から秋へと新作のテストとブラッシュアップが続く。
スケールアップしてバリエーションが増えて行く狂気のミノー、
サンレアルのアリから決して目が離せない。
今後のテスト報告もぜひお楽しみに! (続く)
アリ70 スレっからしサクラマスを狙う秘密兵器
「引きずり出した 70cmオーバーのサクラマス!」
Tokyo Rod & Gun Club 田中 秀人
アリの60&70。
開発段階からサクラマス対策のダウンサイジングミノーコンセプトは
重要なミッションの一つだった。
新しい遡上がなく、叩かれまくってスレっからしのサクラマスや
渇水期の高水温でスリットに張り付いた低活性のサクラマス。
こうしたサクラマスにはミノーのダウンサイジングが必須である。
さらに追い食いする活性を失っているので、こちらから近づく必要がある。
ドカンと沈め定位するそのレンジにミノーを直接送り込むのである。
それこそがアリ60&70の真骨頂だ。
このアリのポテンシャル。
6cm 7cmのミノーというと40cmUPトラウトにジャストサイズであろう。
しかしこのアリのコンセプトは60UP 70UPさらなるサイズのビッグトラウトを
ダウンサイジングで仕留めるファイナルウェポンなのだ。
そのために、70でフックサイズ 4番と6番、60で6番のまさにサクラマスに
ジャストフィットのフックが乗るコンセプトなのだ。
デカいトラウトを仕留めるための小型ウルトラヘビーシンキングミノー
これがこの未だかつて無い狂気のミノーの真髄なのである。
2016年 4月13日
富山県 庄川のサクラマス解禁から13日目のこの朝。
解禁日は近年になく好調であったが、その後は大きな遡上がなく釣果はポツリポツリ。
新しいストックがないからマスは叩かれまくってスレまくりでどんどん口を使わなくなる。
そんな状況でのアリ70の衝撃。
僕らの仲間は、ベイトロッドを手に巨大なマスを狙う。
僕のプロデュースするNorikura Rodはベイトキャスティング オンリーの
尖ったロッドたちだ。
そのロッド手にする者たちを Norikura Gun Roddersと呼ぶ。
そのガンロッダー KIBAちゃんに渡した一本のアリ70。
「もうすぐ発売だ。ちょっと使って見てくれよ。」
この小粒な巨人アリ70がどでかい仕事をしてくれた。
言葉は必要ない。
スレてボトムに張り付いた70cmオーバーのサクラマスをアリ70が引きずり出したのだ。
マッチングシステムの
NORIKURA ROD 58MH バンブー
僕のラボでチューニングしたカッ飛びのアンバサダー2501CDL
そしてアリ70 7cmで18gのウルトラヘビー。
中小規模河川でビッグトラウトを狙う、究極のシステムでの
パーフェクトな釣果。
何も食わない、どのルアーにも反応しなかった巨大なサクラマスが口を使った
この事実が何よりもゆうべんに語ってくれる。
貴方のメモリアルビッグトラウトの歴史に
RECORDという1ページを刻みたいのであれば
迷いなくこのアリ60&70を手にすべきだ。
これだけの現実と実績を販売前に証明したミノーがいまだかつてあっただろうか?
僕らのポリシーは徹底現場主義。
欲しい機能と性能とポテンシャルを描き道具をスタートする。
フィールドで磨き上げてトライ&エラーの末 その本性を磨き上げる。
納得した道具しか世に出すつもりはない。
開発3年
一度は全てをやり直すまで叩き落され、そして這い上がって完成して、
奇跡を連発している
アリ 60&70ついに完成。
いよいよ衝撃のデビュー間近・・・・。僕はもう待ちきれない・・・。