【八軒中華】

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【八軒中華】

年末年始にいただく
中華そばを毎年仕込みます。
嗚呼…今日も長文。
中華そばに興味のない方は
スルーしてください。

飛騨豚のゲン骨。
割って、丁寧に掃除。
少し煮出したら、
臭みのある煮汁を捨てて、
澄んだ状態から炊き出す。

丸2日強火で炊いた豚骨。
骨の髄まで抜けるまで。
そして2日寝かす。

そして今日午後から
丸2日豚骨を追加で炊く。
寝かせた豚骨スープと
追い炊きの
ダブル豚骨スープ。

鶏ガラは弱火で
沸騰するかしないかの
温度ギリギリで1日炊く。

鰹節、厚ぶし、
煮干しは頭と内臓を丁寧に取る、
星貝柱などなど、
魚介系スープ。
出し方はそれぞれ。

野菜は生姜、ニンニク、玉葱、
長ネギ、ニンジン、干し椎茸、
ゴボウ、白菜、昆布、他。
鶏ガラを炊く寸胴に追って追加。
野菜を煮すぎると、
ごった煮鍋のような
ぼやけた雑味が出るので、
コトコト静かに炊く。

飛騨産荒城豚のバラ。
秘密のチャーシュー仕込み。
これは高山の
老舗中華蕎麦屋の
ご主人から教わった。
僕が自分で
中華蕎麦屋を始めない事を条件。
そのため
レシピその他は
門外不出となっている。
この秘密技により
中華そばのスープに
寝かせて枯れたような
ニュアンスを追加出来る。
煮汁はスープに入る。

塩漬けメンマを戻すところから
メンマの味付け仕込まで。
中華そばのスープ、
チューシューの煮汁
プラスアルファで調える。

薬味は飛騨の寒長ネギ、ネブカ。

醤油は
飛騨の伝説、
森七(もりしち)の仕込を
引き継いで作っている
マルダイ醤油濃口。

麺は
飛騨のちぢれ細麺。
三清(みっせい)謹製。

12月27日から始まった仕込み。
八軒中華そばの出来上がりは
5日後の31日昼になる。

ざっとこんな流れ。
八軒中華とは
自宅の場所が
高山市八軒町だからです。

豚骨、鶏ガラ、魚介系、
野菜などなど
5スープブレンドの
飛騨高山スタイル
和風の中華そば。

それぞれの素材に合った
温度と時間で出汁を取り、
それぞれのスープを合わせる。
丁寧にアクを取り、
愛情を込めて目を配る。

完成間近のスープを
仕上げる決め手である
最後のコツも、
老舗中華そばやのご主人から
教わった。

今は東京に引っ越された
高山の中華そばの老舗、
豆天狗の冨田さんが
僕の指南役でここまで来た。
東京に行かれる前の
冨田氏の中華そばに対する
愛と熱量は凄まじいものがあった。
最後の最後まで
高山の中華そばを突き詰めて
少しずつ変わって行きながら、
古き良き伝統と
新たな情熱を加え、
満を持しての東京進出。

なぜか
その開拓の試食担当の1人に
僕が指名されていた。
こっそり
高山中華そばのルーツから
最終型まで全て再現して、
新しい試みも加えながら
深掘りしていく過程を
全部覗かせていただき、
その秘密まで教わった。

なぜ僕に
そこまでご開帳してくれたのか、
その訳はいまだに謎なのである。

我が家の年末年始には
この八軒中華そばが
欠かせないのである。

改良を加えながら
もう30年、
コストと手間をどがえした
趣味の中華蕎麦を
自分なりに変化させながら
仕込み続けている。

さて
今年の中華そばは
どう決まるか…
絶対旨いと思う。
【八軒中華】

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